人間同様動物も癌(悪性腫瘍)ができ、それが原因で命を落とすことがあります。
動物の体を撫でていて、何かおできのような物ができている場合はお早めにご来院ください。
体表ではないところにできる腫瘍はなかなか発見が難しいですが、超音波検査やX線検査などを含んだ全身検査を行うことで発見できることがあります。特にシニア期になった場合は年に最低1回は健康診断を行うことが早期発見に繋がります。
よく、「痛がってないから大丈夫」という飼い主さんがいらっしゃいますが、悪性腫瘍ができたからすぐに痛みなどの症状が出るわけではなく早期の場合は大抵は無症状です。症状が出てきたときは進行している場合がほとんどですのでできるだけ早めに発見することが重要です。
腫瘤(おでき)には悪性のものとそうでないものがあります。
簡単な検査としては針生検( FNA)があり、診察中に細い針で細胞をとって染色して顕微鏡で判断します。わかりやすいものはすぐに答えが出ますが、判断しづらいものについては外の検査センターに出して判断してもらいます。
また、針生検では採取される細胞数が少ないため確定診断が難しい場合があり、その場合は組織生検(おできの一部または全部をとる)を実施します。
腹腔内や胸腔内にできた腫瘤はある程度の大きさであれば超音波検査、X線検査で見つけることができ、場所が特定される場合はそのまま手術となりますが場所が特定できない場合や大きすぎて安全に手術ができるか不明な場合は 手術前にCT検査をした方が良い場合があります。またX線では転移がよくわからない場合でもCTでわかる事もあります。CTにつきましては画像診断専門の先生がいる「総合どうぶつ病院」さん(当院から車で10分程度)をご紹介させていただきます。
腫瘍だと診断された場合は動物さんの全身状態を確認し飼い主さんとご相談しながらよりその子に合った治療を選択いたします。
腫瘍の治療は長期戦になることも多く飼い主さんの精神的負担も大きくなりがちです。
些細なことでもご相談いただき一つ一つお悩みを解決できるようサポートさせていただきます。また動物さんの生活の質の向上にも目を向けトータル的な治療をさせていただきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。